一本の鰹節ができ上がるまで、いったいどれだけの時間と手間がかかるのか、ご存知の方がどれほどおられるでしょう。その工程を目の当たりにした方は、みなさんが驚嘆の声を上げられます。
●今も昔も変わらぬ製法で鰹節はつくられている。
(1995年頃の鰹節製造工場)
的場水産では三百年の伝統を誇る昔ながらの製法を守り、いまも一本一本指先から丹精こめて鰹節を作り続けています。
急速冷凍されて水揚げされたカツオを解凍してさばき、茹でて骨を抜き整形する。それから二週間をかけてじっくり燻す。特にカビをつけながら熟成してゆく本枯節は短くて数カ月、長ければ半年以上を要するものも。どの工程も機械化、オートメーション化することが困難で、職人の技術と経験に頼った手仕事ばかり。まさに緊張の連続で一瞬の気のゆるみも品質に大きく影響します。
でき上がった本枯節を二つに割ってみると、断面は宝石の瑪瑙のような美しい輝きを放っています。鰹節とは、まさに海の幸であるカツオを、手間暇かけることによって宝石のように仕上げてゆくといっても過言ではないでしょう。そしてそのためには伝承の技術を身につけた職人がなくてはならない、と。
的場水産では、本枯節など鰹節の製造で日本の食文化に貢献するとともに、最新の設備を導入し削りから封入までを自動化した削り節パックや、その他カツオに関する加工食品を多数開発し、伝統・伝承の技術を基礎とした総合的な食品メーカーを目指してさらなる飛躍を期しています。
コメント